ロゴ:SMBC
ロゴ:SMBCグループ
導入事例TOP 1,000通以上の雇用契約や誓約書を電子化
SMBC SMBC

1,000通以上の雇用契約や誓約書を電子化

~銀行のイメージを変えるきっかけに~

  • 雇用契約
  • 誓約書
  • 金融

株式会社三井住友銀行 人事部 採用グループ 尾崎 三奈氏

三井住友銀行では人事部にて新卒・中途の雇用契約などで利用。

他にも学生インターンでの情報管理の誓約書など様々な人事関連書類の電子化が成され効果を上げている。

人材採用業務において、世に先駆け電子契約を取入れる事で、銀行のデジタル化における先進的な取り組みのアピールにも寄与。

毎年発生する膨大な紙の契約書を廃止、保管スペースを節約

三井住友銀行の人事部という部署の業務内容について教えていただけますか?

当行人事部の業務は多岐にわたっています。私が所属するのは採用グループで、優秀な人材を獲得し、内定者を入行までフォロー、初期配属先の決定等入り口の部分を担当しております。同じ人事部でも、その後の人材育成や管理を行うグループもありますし、テレワークをはじめとする社内制度を作成したり、人件費を管理したりするグループもあります。 他にも給料の支給、福利厚生の手続き、従業員の資格取得の支援や管理などをするグループもあれば、それら全ての業務を根幹から支えるシステムを担うグループもあります。各グループが全く異なる仕事をしているようで、それでも人事部として繋がっている部分もあり、常にグループ間の連携を意識し、一体感を持ちながら仕事をしていると日々感じています。

会社として立ち上がったばかりのSMBCクラウドサインを、三井住友銀行で初めて導入したのが人事部採用グループだったと伺っています。用途は何だったのでしょうか?

SMBCクラウドサインの会社設立とほとんど同時、2019年10月頃に、学生のインターンシップを対象にした情報管理に関する誓約書で利用を始めました。

この誓約書から始めた理由の1つは徴求量、つまり収集する紙書類の量が多く、そのやりとりの手間と、徴求後の書類の保管方法に課題を感じていたからです。もう1つは、クラウド型の電子契約という先進的なサービスを利用することで、学生に銀行の新しい取組をアピールしたいという狙いもありました。

当行では毎年学生の夏休み期間に500~600人規模のインターンを行っていますが、学生1人1人から誓約書を提出してもらうので、それが毎回500~600枚発生します。ファイリングの手間もかかりますし、保管スペースも必要です。長期間保管しておくことになりますので、倉庫のコストもどんどんかさむことになります。

さらに誓約書に押印する為に、インターン初日には印鑑を持参してもらう必要もありますが、学生は印鑑になじみが薄いこともあって忘れてしまうこともあります。電子化することで印鑑を持参することも、誓約書に署名してもらうことも省けて、互いに効率化につながるのでは、という期待もありました。

アナログなところが多いと思われがちな銀行が、電子契約という先進的な取り組みをしていることがわかれば、たしかに学生に対してかなりのPRになりそうです。

最近では、テレワークの拡大で電子契約が一気に普及してきましたが、導入当時の2019年は、今ほど電子契約も一般的では無く、「本当に電子で契約していいのだろうか?」という不安を感じるくらいの時期。学生からしても、銀行は印鑑と自署が絶対で、手続きにも時間がかかる印象があったと思います。でもインターン初日にSMBCクラウドサインで電子契約をしてもらい、そこで「銀行に対するイメージが変わった」という感想もいただけました。銀行と言うと手続きが煩雑、規程が厳しく新しいものを取り入れることに消極的なイメージを持たれがちですが、口だけではなく、実際に当行が先進的に事業に取り組んでいるということの証明になり、採用広報として大変良いアピールになりました。

銀行というとセキュリティには厳しいイメージがあります。こういったクラウドサービスを利用するのも難しかったのではありませんか?

銀行として何らかのシステムを採用するときには、一定のセキュリティ基準を充足している必要があります。SMBCクラウドサインは会社設立時に、銀行として求められる厳格なセキュリティ基準でのモニタリングを経ているので、実際に導入して利用する上でも話が早く安心感がありました。法人・個人共に多くの顧客を抱えるメガバンクとして信用は何より大切であり、基準はかなり厳しく定められております。その銀行基準で考えられたサービスである事は、重要な契約書情報を扱う上で大きなアドバンテージになるのではないかと思います。

今の契約業務を見直すことで最適化へ。大企業こそ効果は大きい

2019年に誓約書で利用した後、SMBCクラウドサインはどのように活用してきたのでしょう?

2020年も同様にインターンの誓約書で使用し、新たに中途採用時の雇用契約でも活用を始めました。そこで効果を確かめた上で、2021年には新卒採用時の雇用契約にも用途を拡大しました。扱う書類が多い採用グループとしては、新卒行員に毎年徴求している雇用契約書やそれに付随する誓約書など、数種類の書類の管理・保管が一番効率化したい業務でもありましたし、電子化もしやすいだろうと踏んでいたからです。

導入範囲を広げていった中で、苦労した点や工夫した点はありましたか?

契約書の雛形を、紙書類のものから電子化に適した形で作り直すことになりました。例えば労働条件通知書については、電子で交付する場合、あらかじめ相手方に電子での交付を同意して頂く事が条件となり、そのエビデンスも必要となりますので、行内の関係所管部や顧問弁護士と何度も調整を重ね、それに即した雛形に変更しました。

このように法律に沿った形で対応できるようにし、それに合わせた業務プロセスを作り上げるところは苦労した部分です。

そのような苦労や工夫を通じて、どのような成果が得られたでしょうか?

採用グループとしては、電子化による業務フローを明確に意識して、それに適した契約書日雛形を作り上げることができたと思います。単なる電子化に止まらず、電子化に向けた取り組みを通じて、契約周辺の業務をゼロベースで見直し最適化する、非常に良いきっかけになったとも感じています。

また、数種類の紙書類に手で記入してもらう従来のフローだと、どうしても記入ミスや漏れが発生します。間違った箇所に二重線を引いて押印する訂正の仕方を伝えても、その通りになっておらず、結局全部書き直してもらうことも珍しくありません。

ところがSMBCクラウドサインにしたことで、それまで各人に記入してもらっていた項目をあらかじめ入力された状態にでき、あとはチェックを入れるか同意のボタンを押すだけで締結完了という状態にできます。チェックの必須項目化も設定できるので、確実に対応漏れを防ぐことも可能です。これにより、記入ミス・漏れの確認作業も、ファイリングの手間も不要となりました。その意味で労力はかなり削減できましたね。

SMBCクラウドサインを使っていて、特に便利だと感じているポイントはありますか?

導入検討時に他社の電子契約サービスに触れたりもしましたが、それらと比べても、SMBCクラウドサインは作り自体がとてもわかりやすいと感じました。契約書のアップロードから承認者の設定まで、マニュアルを見なくても直感的に操作できます。使い勝手がとにかくいいですよね。

あらかじめ沢山の送信相手の情報をまとめたCSVファイルからテンプレートに流し込んで、個別の契約書を生成し一括送信できるのも便利ですし、締結が完了しているかどうかのステータス管理機能と、未締結の相手に再送するリマインド機能も役に立っています。

今後、SMBCクラウドサインをどのように活用していきたいと考えていますか?

当行役員との間で結ぶ株式報酬に関する契約にも、まさに使い始めたところです。人事部としては、取り扱っている業務が多く、従業員が何万人もいますので、何らかの手続き1つとっても数百人単位が当たり前。そういう電子化で効率化できそうな分野はまだ沢山あるだろうなと思っています。あとは、内部の契約だけでなく外部の取引先様との業務委託契約などにも利用を広げられそうです。

SMBCクラウドサインに期待すること、要望などがありましたら教えていただけますか?

実は、雇用契約関連でまだ1つ電子化できていない書類があります。扶養控除異動申告書という書類で、狭いスペースに細かく書き込まなければならないところがあり、今のSMBCクラウドサインの帳票作成機能では対応しきれませんでした。公的なものなので書類の体裁を変更するわけにもいきませんし、フリーテキスト入力欄をもう少しフレキシブルにサイズ変更できるようになれば、もっと活用の幅が広がるのではないかなと思っています。

導入を検討している大企業や金融機関に向けて、アドバイスやメッセージをいただけますか。

新しいことを始めるのは簡単ではありません。たとえば電子化のために契約書類の書式を変えなければならないとなると、今まで通りの方法が楽だからやりたくないと思われてしまうものです。他の部署が管理している書類を使うこともあるはずで、その場合はなおさら困難かもしれません。実際に今回も多くの部署を巻き込んだ導入になり、調整には時間がかかりました。

でも実際に利用してみたら「やってよかった」「効果がこんなにあった」という声が上がることは間違いありません。多くの従業員を抱えている大企業こそ、SMBCクラウドサインによる時間・コスト削減の効果はよりはっきり実感できると思います。

最初はハードルが高く感じられて、気合を入れないと進まないかもしれませんが、ただ電子化するというだけでなく、全体の業務の見直しを通じて、業務プロセスの本来あるべき姿を最適なものに再構築するきっかけにもなるので、ぜひ挑戦してほしいですね。

サービス説明資料、セキュリティガイド、社内システムと連携可能なAPI説明資料、書類の送付先に送ることで導入を容易にする受信者向けガイドといった各種資料をご用意しております。導入検討にお役立てください。