ロゴ:SMBC
ロゴ:SMBCグループ
導入事例TOP メガバンク本部「56部署」で利活用を推進
SMBC SMBC

メガバンク本部「56部署」で利活用を推進

~SMBCグループ「脱ハンコ」への挑戦~

  • 業務委託契約
  • 秘密保持契約
  • 金融

株式会社三井住友銀行 経営企画部 業務改革室 小暮 浩平氏

三井住友銀行では業務改革室が主導し、本部での電子契約利活用を推進している。

大企業において個別部署による検討では中々導入が進まない現実があり、本部で旗振り役となる部門の存在が必要不可欠。

同行本部「56部署」での電子契約利活用を進めたポイントとその効果についてお話を伺った。

本部「56部署」のアカウントを業務改革室が取り纏めて運用

最初に、三井住友銀行の経営企画部・業務改革室という部署の業務内容について教えていただけますか。

当行経営企画部の業務改革室という部では、主に三井住友銀行や、SMBCグループ全体の生産性向上を図るための業務を担っています。2020年8月から導入したSMBCクラウドサインについても、その導入と、行内での普及活動、グループ全体への展開などを担当しています。

業務改革室では、ペーパーレスに向けた銀行内での取り組みを以前から進めていましたが、銀行本部と外部企業等の契約処理については電子化が遅れているところがありました。そのため、2019年にSMBCクラウドサインが設立されたのを機に、業務改革室が旗振り役となって電子契約の導入を推進することになりました。

2020年にコロナ禍でテレワークの動きが加速し、脱ハンコの気運が高まったことが後押しになったのも確かです。押印を省いてペーパーレスにするために、行内のさまざまな契約業務をはじめ、その他のドキュメントも電子化することを目指して、グループ各社にも声掛けしながら進めてきました。

SMBCクラウドサインは現在どのように利用されているのでしょうか。

本部「56部署」、人数にして「約1,000人」分のアカウントを業務改革室で取り纏めて管理しています。各部でSMBCクラウドサインを契約するのではなく、我々が各部の利用者のアカウントを発行する形です。国内本店を対象としていますが、取扱う書類内容によっては個別に契約する部もあります。

なぜこのような管理方法にしているかというと、部署ごとや行員ごとの単位では、契約業務が月に1件からせいぜい数件程度と少ないところもあるからです。それぞれで契約して利用するより、1箇所に集約して運用した方が効率的だと考えました。

利用方法としてはシンプルで、各部が外部企業等と結ぶNDAや業務委託契約、各種サービスライセンスの購入契約などで活用していて、グループ間の契約や請求書・検収書のような用途でも利用しています。

実際に使ってみていかがでしたか。

いざ使ってみると、凄く簡単でしたね。特にインターフェースが視覚的にわかりやすいのがいいと思います。契約送信までには3ステップくらいありますが、今はここで、次は何をしなければいけない、というのがすぐわかりますし、次に操作すべきボタンが直感的に目立つように色分けされているので迷うことがありません。

余計な操作を求められることもなく、最初は不安に感じていた各部の人たちも、一度使うだけで便利さを実感してもらえて、「これからはどんどん使っていきますね」と話してくれたりもしました。

導入の際に苦労したところはありませんでしたか。

導入直後から積極的に使ってくれる部署もあった一方、全く使っていない部署もありましたので、利用が中々進まないところに対しては個別にサポートしながら、とりあえず最初の1回目を使ってもらうことに主眼を置くことにしました。

とにかく各部で誰かが一度でも使ってくれれば、便利に感じてもらえて、その人がハブとなって部内の他のメンバーに展開してくれるはずだと。ですので、まずは実績を作るために、最初の第一歩を誰に、どの相手先に使ってもらうかを考えるところは苦心しましたね。

今まで通り紙の方が都合がいいとか、電子契約を使いたいけれど相手先企業との調整が難しいとか、ネックになる部分はいくつかありましたが、マニュアルとなる資料を作成して、イントラネットなど閲覧しやすい場所に置き、勉強会も実施しました。契約相手に電子契約について説明するのが難しそうなときは、その説明用に作成した資料を渡すこともありましたし、「相手先とこういった流れで交渉すれば利用しやすくなる」というようなアドバイスをすることもありました。

そんな中で電子化を広げていくために工夫された部分はあるでしょうか。

どの部署がどの企業との契約でSMBCクラウドサインを利用したのか、という情報を月次で更新してイントラネットなどに掲示するようにしました。自分たちの部署でその企業と契約を結びたい時に、電子契約が利用できそうかどうか、直ぐにわかってもらえるようになっています。

気にするべきは表面的なコストだけではなく、手間と時間がどれだけ省けるか

導入後、効果として特に実感している部分はどんなところですか。

今のところSMBCクラウドサインが最も使われているのはグループ間での書類です。例えばグループ会社との覚書や業務委託契約などですね。

今までは紙の契約書を郵送したり、何かのついでに持って行って手渡ししたりする、といった面倒なやりとりが発生していましたが、事前にメールだけでやりとりできますから、互いに大きなメリットが得られたと思います。

効果については2020年に数値的な試算も公表しています。(以下参考)
SMBCグループ15社でクラウド型電子契約を活用 ”脱ハンコ”のリーディングカンパニーへ

ただ、直接的なコストがどれくらい下がったかというより、互いのやりとりや押印手続きなど、時間や手間がかかっていた部分を確実に削減して生産性が高まっているのが重要なポイントかと思います。

現在はリモートアクセス環境も整っていますので、出社することなく、テレワークでも契約業務が行えるようになったのは助かります。SMBCクラウドサインの利用については、既存の社内システムのIDを共用できるSSO(シングルサインオン)の仕組みも導入していますから、セキュリティを高く保ちつつ、管理・運用の面でも効率化できていますね。

今後、どのようにSMBCクラウドサインを活用していこうとお考えですか。

業務改革室としては、本部で現状電子化対象としてる書類の約7割ほどを今年度中に電子化に移行する目標です。そのためには、如何に簡便に電子契約が利用可能で、また利用した際にどれ程楽になるかという事を前述の様に確りと行内発信していく必要があります。加えてまだまだ用途も拡大できると思いますので、リスクを精査した上で電子化対象書類も増やしていきたいと考えています。

また、今のところ各部署では、紙の契約書類を保管していたり、スキャンした契約書類を個人PC内に保存していたりする場合があります。SMBCクラウドサインに全面的に移行できれば保管場所の確保や管理の不統一の問題も解消できるはずです。

それ以外のところで、SMBCクラウドサインに期待していることがありましたら。

今の時点で約1,000人分のアカウントがあり、今後も年々増えていくことは間違いありませんので、こういった多くのユーザーや大量の契約書類をより効率良く管理・処理できる機能が増えていくと嬉しいですね。例えばアカウントごとの権限などをCSVファイルの読み込みで一括設定する機能や、期間で絞り込んだ複数の契約書の書類情報を一括出力できるようにする機能があると、一段と便利になりそうです。

大企業や同じ金融系の企業に向けて、アドバイスもしくはメッセージをお願いします。

SMBCクラウドサインを導入する際には、単純に直接コストがどれくらい省けるのか、というところが気になるかもしれません。しかしそういうことよりも、事務作業を圧倒的に効率化できて時間を短縮できること、そこに注目した方がいいのではないでしょうか。

また、とりわけ多くの社員がいる大企業では、たとえ社員1人、部署1つの効率性向上がわずかでも、全体で見れば大きな違いになってきます。部署単位だと契約件数が少ないときは、我々のようにどこか1つの部署がライセンスを取り纏める形で全社分を運用することで、負担感なく電子契約の利用を広げていけるはずです。

一度SMBCクラウドサインを使えば後戻りする事は絶対にない、そのぐらいに効果を感じるはずです。今後、紙とハンコから電子契約に推移していく流れは加速していくと思います。まずは導入した時に一番便利になりそうな部分から第一歩を踏み出し、地道な取組にはなりますが、少しずつ用途を拡大していくのが良いのではないかと思います。

サービス説明資料、セキュリティガイド、社内システムと連携可能なAPI説明資料、書類の送付先に送ることで導入を容易にする受信者向けガイドといった各種資料をご用意しております。導入検討にお役立てください。