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相続手続きのデジタル革命「スマート相続口座」

~電子契約により圧倒的な利便性を実現~

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株式会社SMBC信託銀行 信託企画開発部 井上 康章氏 信託企画開発部 衣笠 麻弥氏

SMBC信託では、お客さまのご資産をスムーズにご家族に引継ぐ「スマート相続口座」の申込において本邦初の取り組みとして電子契約を活用。

スピーディな契約締結により今までにない利便性を実現。

年齢層が高めでも抵抗感なく電子契約を受け入れ

最初に御社の事業内容について教えてください。

井上氏
当社はSMBCグループの信託銀行です。「外貨」「不動産」「信託」の3つの機能を有した信託銀行として、幅広い領域におよぶ金融ソリューションを提供しています。

私たち信託企画開発部は、相続・承継に関する商品開発や、合同運用指定金銭信託といった信託機能を活用した運用商品の開発を主に担当しています。
相続・承継については、将来の認知症や相続に備え、会社の議決権をあらかじめ信頼できる人に託すように取り決めておいて、企業のビジネスを停滞させないようにする、といったお手伝いもしています。

また、他の信託銀行にはないエッジの効いたソリューションの開発・提供にも力を入れています。美術品や高級車などの資産を信託したいといったニーズにも、専門業者とタッグを組みながらお応えしています。

株式会社SMBC信託銀行 信託企画開発部 井上康章氏

SMBCクラウドサインを導入されたのは業務のどの部分になりますか。

衣笠氏
2020年7月からスタートした「スマート相続口座」というサービスのなかで、贈与契約書兼資産承継契約書や個人情報保護に関わる書類などに利用しています。当社は、日本の信託銀行のなかでは後発ということもあり、我々ならではの尖った、他が手がけていない商品・サービスにもチャレンジしているのですが、「スマート相続口座」はそういったチャレンジングなカルチャーのなかから2020年に生まれたサービスです。

SMBC信託銀行「スマート相続口座」における電子契約の利用イメージ。
詳細は下記URLご参照。
https://www.smbctb.co.jp/service/sozoku/smart/

相続においては、財産を渡す側と、受け取る側との間で、財産分与の方法や配分割合などで揉めることも少なくありません。いわゆる「争続(そうぞく)」というものです。また、相続手続きには、行政から取得する書類を含め、多くの紙書類による手続きが必要で、手間や負担も大きなものになります。そうした課題を軽減することにフォーカスしたのが「スマート相続口座」で、ここに電子契約がマッチするのではないかと考え、SMBCクラウドサインを組み合わせた形で「スマート相続口座」のサービスをリリースしました。

「スマート相続口座」は、お客さまに大変ご好評をいただき、リリース後約1年間で1000件を上回るご契約実績となりました。これは、当該サービスが、お客さまの「簡単に相続対策をしたい」というニーズを捉えたことと、コロナ禍に求められる各種対策の中で、電子契約の効果(非対面、複数名回覧、手軽さ、契約締結の早さ)が高かったことが背景にあると感じています。

「スマート相続口座」というサービスの概要と、そこにSMBCクラウドサインを導入した経緯について教えていただけますか。

井上氏
一般的な信託銀行で取り扱っている相続関連のサービスに、遺言信託というものがあります。しかし、そちらはお客さまが保有する全財産が対象で、相続対策に適しているサービスである反面、その分、お客さまが負担する手続きも複雑かつ膨大になります。

その点、「スマート相続口座」は財産の一部、つまり当社に預けていただいている財産(例:円貨預金や外貨預金などの各種預金や、投資信託など)のみを対象としていて、その分手続きも簡単かつライトにし、口座残高によりますがご契約に係る手数料が最大無料となっています。

ただ、そもそもスマートな手続きを売りにしている商品なのに書面契約しか選択肢がないというのは、いかがなものかと考え、サービスとしての魅力度アップを検討していくなかで、電子契約サービスが活かせるのではないかと考えました。手続きを簡単にして手間を減らすという「スマート相続口座」の特徴をさらに強めることにもなるのではないかと感じました。

2019年にSMBCクラウドサインが設立されたことを知り、興味があったのでセミナーに参加しました。そこで複数人が書類を回覧する相続の手続きは、メールで関係者の承認を得ていくSMBCクラウドサインと非常に相性がよく、シナジーを生み出せる、とアドバイスをいただいたこともあって導入を決めました。「スマート相続口座」のような相続サービスに電子契約を組み込むのは本邦初の取り組みになります。

お客さまから、電子契約に対する拒否感みたいなものはなかったのでしょうか。

井上氏
「スマート相続口座」の契約方法は、書面契約と電子契約のいずれかをお客さまが自由に選択することが可能です。
それを前提とした場合、当初は、個人分野ではまだ認知度が高くない電子契約には、抵抗のあるお客さまが多いのではないかと考え、利用率はせいぜい1割程度と予測していました。
しかし、契約件数を重ねていくうちに、お客さまの反応として「電子契約の利用経験がなくても、便利なものは積極的に利用していく」という考えの方が多いということが分かり、結果利用率は約3割で推移しています。これは、いい意味で想定外でした。

「スマート相続口座」の電子契約をご選択された場合、申込時に贈与者の方にA3サイズの用紙1枚に記入していただければ、あとは電子的に処理が進みます。贈与者と受贈者の関係を示すための戸籍謄本も不要で、お客さまからは、クラウドサインによる電子契約のおかげで簡単かつ時間をかけずに契約締結できると、大変ご好評いただいていますね。

また、PCだけでなく、スマートフォンでも契約締結できるのもポイントで、電子契約のメール受信先にスマートフォンを指定する方も多くいらっしゃいます。スマートフォンでも相続に関する契約ができてしまうという手軽さが、複雑で煩雑なイメージのある相続を少しでも「簡単に、ライトな」印象とすることに貢献してくれたのかもしれません。
これからはITリテラシーの高い方の年代も徐々に上がってくるので、より電子契約に抵抗感のない人が増えてくるはずです。

非接触・非対面、コンプライアンスの順守を実現できるツール

信託企画開発部 衣笠麻弥氏

目立つ効果としては、やはり契約スピードの速さというところになるでしょうか。

衣笠氏
お客さまもそうですが、支店で対応する現場の担当者も、電子契約によるスピーディさ、簡単さには驚いています。これほど利便性が高いのであれば、「原則電子契約で」という案内の仕方でもいいかもしれませんし、そうなると電子契約の割合が今後一段と大きく伸びていくことも間違いないと感じます。

契約書がメールで届いて、クリックするだけで承認してオンラインで締結が完了するのは、核家族化が進んでいる今の時代にも合っていると思います。相続では受取人が複数人になることも多く、それぞれ別の場所に住んでいると、紙の書類を回していくのにどうしても時間がかかりますが、SMBCクラウドサインならオンラインですぐに終わりますので。

現在のコロナ禍においては、実家や遠隔地などを行き来して受贈者全員と書類をやりとりするようなことも難しいですから、そういった面でもSMBCクラウドサインは適しているのではないでしょうか。電子契約の構想自体はコロナ前からあったのですが、まさに時流に適したサービスをリリース出来たと思っています。

導入にあたって何か工夫されたところはありますか。

衣笠氏
悩んだのは、受贈者が契約書をWebブラウザーで開くときのアクセスコード(パスワード)をどうやってお渡しするか、という点でした。

当社では、セキュリティなどの都合上、直接受贈者の方へメールやお電話などでアクセスコードをお伝えするのは避けたかった事情があります。そのため運用としては、契約時に当社が生成したアクセスコードについてSMBCクラウドサインを通じてまずは贈与者にお知らせし、それを贈与者から、別の方法で受贈者のみなさまに伝えていただく、という手順にしました。

今後、SMBCクラウドサインの活用はどのように広げていこうとお考えですか。

衣笠氏
お客さまや支店側での負担は減っているものの、当社内部の手間という意味では、電子化したことで少し増えているかもしれません。お客さまに紙に記入していただいたものをデータ化するという作業が発生しているからです。

しかしここについては、対面契約オプションの導入を検討しているところです。お客さまがタブレットを使って電子的に情報登録することになるので、データ化作業が少なくなれば社内負担が軽減されます。支店側でも手続きの進捗がわかるようになりますし、電子契約を選択されるお客さまが増えることにもつながるのではないでしょうか。

井上氏
あとは、贈与者がお亡くなりになって相続が発生したとき、受贈者の方々と最終的な確認書を郵送などでやりとりしている部分も、いずれはSMBCクラウドサインにできればと思っています。

SMBCクラウドサインの導入を検討している他の企業に向けてメッセージがありましたら。

井上氏
「スマート相続口座」というサービスは、仕事をリタイヤされた方をターゲットにしたサービスで、リタイヤを機に外貨預金を解約してしまうお客さまに対して継続してお取引をいただくための方策として考えたものでした。お客さまのセカンドライフに当社がいかに長くお付き合いしていただけるかを思案した時に、相続対策として手続きが重いものではなく、簡単・スピーディに相続対策できるサービスが必要ではないかと考えました。

当初、企画段階では紙書類での契約をベースにしていましたが、コロナ禍で非対面が重視されるようになったことで電子契約にフォーカスしたという経緯があります。我々のようにたくさんの個人のお客さまを抱えているようなところでは、こうした非接触・非対面を実現できるツールは非常に有用ではないでしょうか。

コンプライアンスの遵守が求められ、近年ではそれが新サービスを生み出す障害になっていたりもします。電子契約を利用したくても、コンプライアンスを確実に守るという観点では、電子は紙より信頼度が低い、と思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、むしろ電子契約にすることで信用力、証拠能力が紙書類より高くなるところもあります。実際に使ってみれば、お客さまの利便性は確実に上がっていますし、年齢層が高めのお客さまで電子契約を使ったことのない方でも抵抗感なくご利用いただいています。業務を効率化し、新たなサービスを開発していくうえで、ぜひSMBCクラウドサインを活用してみてほしいと思いますね。

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