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契約担当者の半減で必然だった電子化

~時間短縮と業務効率向上を実現し、コスト管理も迅速に~

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株式会社久米設計 コーポレート本部 コーポレート室 総務部 主管 須藤幸詞氏

契約担当の事務員が減少し、電子化しなければ対応が不可能に

電子化により契約締結の時間短縮だけでなく外注費の把握にも効果

契約業務担当者が一気に半分、大量の契約をこなすべく電子化へ

はじめに御社の事業内容について教えてください。

当社は主に建築物の設計監理業務を手がけている組織系設計事務所です。一級建築士が350名ほど在籍しており、建物の設計だけでなく都市開発や構造設計、空調などの設備設計も行っています。恵比寿ガーデンプレイスや赤坂サカスの他、最近では東急歌舞伎町タワーや、としまえん跡地にできた「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 - メイキング・オブ・ハリー・ポッター」も当社が設計しました。

電子契約サービスの導入を検討することになったきっかけはなんでしたか。

当社の組織構成として、本部があり、その下にいくつかの設計部署が存在しています。以前は各設計部署に事務を専門にこなす人がいて、契約業務もその人たちが担当する形になっていました。ところが業務の効率化を目指すなかで設計補佐など別の業務を任せることになり、20人ほどいた事務担当者が半分くらいになってしまったんです。

でも契約業務は変わらずあるわけです。紙書類で契約していたこともあって作業量が膨大で対応しきれません。今まで通り契約業務をこなしていくためには、生産性を上げ、効率化を図らなければならず、必然的に電子化を考えざるを得なくなりました。

当時はペーパーレスを推進し始めていたこともありますし、多数の部署に散在していた契約書の処理を一元管理したい、という考えもありました。電子契約について調べていくうちに印紙税などの削減を見込めることもわかって、会社に対して導入を提案しやすいだろうという見込みもありましたね。

紙の契約書における課題感はありましたか。

当社が扱っている契約の件数は、年間1,500件にも上ります。本社や支社、多数の部署それぞれで契約書を扱っていて、それらが本部に情報として集約されるまで時間がかかっていたのが課題の1つでした。契約は最終的に支払いにも関わってくるので、それを紙で処理しているとどうしても迅速な把握が難しい。それを電子化して統一的なプラットフォームで管理できるようにすれば、効率が上がるだろうという期待もありました。

また、当社ではプロジェクトアーキテクト(PA)という部長クラスの人間がプロジェクトごとの責任者になるのですが、何らかの業務を外注するときはそのPAの判断に委ねられています。プロジェクトチーム間でそういった情報を共有することはあまりないので、全体的な業務やコストの面で必ずしも効率的とは言えない状況でもあります。これを契約書の電子化を機に改善できないか、とも考えていました。

数ある電子契約サービスのなかからSMBCクラウドサインを選択した決め手は何でしょう。

契約書って基本的に保管期間が長いですよね。当社の文書管理規定では、それこそ施主様との契約は永久保存が必要です。クラウドサービスは流行廃りが激しく、突然提供が終了してしまう可能性もありますが、それで契約書が消えてしまったら困ります。だから「絶対になくならないサービス」であることが必須です。

須藤幸詞氏

いろいろな電子契約サービスを比較しましたが、その意味でSMBCクラウドサインは、ベースとなっているのが弁護士ドットコムのクラウドサインで、金融機関もバックについているので「なくならない」安心感は絶大でした。あとは直感的に操作できるかどうかも重要です。導入前に試しに触れてみたところでは、SMBCクラウドサインはそこに関してもピカイチでした。

それと料金のリーズナブルさですね。契約を電子化することによって印紙代や印刷・郵送の手間が省けるうえに、作業効率も上がるので人件費も抑えられる。そういった紙で処理するときのコストを考えると、SMBCクラウドサインの料金体系は良心的で、圧倒的にコストパフォーマンス高く運用できるだろうと感じました。

契約締結や期限管理の作業負担を軽減し、外注費の迅速な把握にも貢献

導入から運用まで、どのような流れで進んでいきましたか。

導入検討を始めてから3~4カ月の間に準備し、実際に運用を開始したのは2021年9月です。当社の設計業務のフローの中に電子契約を組み込むため、準備期間においては主に運用ルールを定め、各部署との調整に奔走しました。契約業務を担当する人と毎週情報共有しつつ、オンラインで説明会を実施しましたし、当社の業務フローに合わせたマニュアルを作って、さらに契約相手となる外注先に対しても手紙やSMBCクラウドサインが用意している受信者向けガイドをお送りして説明しました。

運用ルールを決めていくところで何か工夫されたことは?

契約フローをなるべくシンプルにしたことでしょうか。従来の紙の契約書のフローの中には、無駄と思われる手続きや作業がありましたので、それらは極力排除するように努め、途中の承認者の数も減らしました。仕事の仕方をガラッと変えて効率化するのには、こういう電子化のようなタイミングがいい機会になるんですよね。なかば「ダメだったら変えればいい」という考えでスタートしましたが、そこから1年半経過しても変える必要性を感じていませんから、やっぱり無駄な作業だったんだな、と改めて思いますね(笑)。

電子化したことで実感している効果がありましたら教えてください。

契約書を印刷・製本して、回覧・押印し、印紙を貼って郵送するという作業が電子化によって省略でき、いちいちそのために出社する必要もなくなって圧倒的にスピードアップしました。ファイリングしたり、契約書の情報を別途システムに登録したり、といった手間もなくなりましたし、以前はスプレッドシートに別途情報を記録して期限管理していましたが、それもSMBCクラウドサインのなかで完結するので大幅に作業量が減っています。契約締結にかかる時間も以前は1週間はかかっていたのが、長くても2日くらいに短縮しました。

契約業務を担当していた事務専属の方が全体で20名くらいいて、その後半分になってしまったとお話ししましたが、その人数で年間1,500件ほどの契約を問題なく処理できていますから、効率が上がっているのはもちろんのこと、人件費としてもかなり削減できているのではないでしょうか。

さらに外注費の把握にもメリットがありますね。基本的に契約の期限後に支払いが発生するわけですが、外注費が毎月どれくらいかかっているのか、以前は支払いが迫っているギリギリのタイミングでしかわかりませんでした。しかし今ではSMBCクラウドサインにある情報を元にすぐに把握できます。これは資金計画にまで関わってくることですから、非常に重要なんです。

法改正を控え、アナログのままでは作業量がさらに膨大になる恐れ

電子化をさらに進めていくうえで、今課題と感じているところはあるでしょうか。

1つは社内周知がまだ十分ではないことです。説明会を開き、それを動画化したものも用意しましたが、やはり社員全員に確実に見てもらえるわけではありません。これからも地道な啓蒙活動が必要と感じています。

また、現在は外注先との業務委託契約などに利用していますが、お客様である施主様との契約にはまだ積極的に使えていません。お客様に自治体が多いのが電子化しにくい理由の1つではありますが、年間数千万円ほどの印紙税がかかっていますから、そこを電子化できれば大きなコスト削減が図れます。ここは徐々に電子化を広げている最中です。

実際にSMBCクラウドサインを使ってみると、ものすごく簡単で直感的に操作できて、良さがわかります。でも、その良さを理解してもらうための説明が大変ですね。それは社内に対しても、お客様に対してもそうです。建築・設計業界には年配の方が多いですし、外注先の会社も個人経営など小規模なところも多い。一度使ってもらえれば感動するくらい簡単なことに気付いてもらえるのですが、最初の説得にはどうしても時間がかかります。

今後SMBCクラウドサインの活用をどのように広げていきたいと考えていますか。

契約書以外の書類、たとえば取締役会議事録にも使ってみたいと思っています。さらに、請求・支払のためのクラウドサービスや当社の基幹システムなどと連携させて、お金の出入りを見える化し、プロジェクト管理を効率化する仕組みを作っていきたいとも思っています。今は基幹システム上で必要な情報をすぐ得られるように、SMBCクラウドサインから契約書のPDFをダウンロードして、それを基幹システムに再アップロードするという手作業が発生しています。ここをAPI連携などで自動化して、もっと楽に運用できるようにしたいですね。

須藤幸詞氏
クラウドサインを活用しようと考えている企業、もしくは導入したもののまだ活用しきれてない企業に向けてメッセージをいただければ。

SMBCクラウドサインを導入して、使ってみて思うのは、自分が考えていた以上に生産性が上がるんだな、ということです。人件費の圧縮にもかなり寄与しますし、ペーパーレス化においても非常に大きな効果があるんですよね。

2023年はインボイス制度が始まりますし、2024年1月には改正電子帳簿保存法も施行されます。電子化してもしなくても、法律に則った形で処理しなければならず、おそらくアナログな方法のままでは、事務作業の量は膨大なものになってしまうのではないでしょうか。

だからこそ、紙書類を使った契約業務などは、なるべく早く電子化した方がいいと思います。契約数の多い企業にとっては印紙税の節約にもインパクトがありますし、企業規模が大きいほど効果は高くなります。多くの企業が電子契約を導入するほど、私たちや他のユーザーの生産性向上にもつながりますので(笑)、ぜひ導入・活用を進めてほしいですね。

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