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商業登記申請でも電子契約を積極活用

~AI先進企業が進めるデジタル化の全容~

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株式会社エクサウィザーズ コーポレート統括部 法務部 古澤 拓氏

エクサウィザーズでは、社内外の契約に加え取締役会議事録にも電子契約を活用。

商業登記申請でも利用できる点を踏まえ、株主総会・取締役会に掛かる業務の大幅な効率化に加えオンライン開催へのスムーズな移行も実現。

社内外の契約書に加え、取締役会議事録にも利用

最初に御社の事業内容と、古澤様の担当業務について教えてください。

当社は、AI技術と様々な業界の知見を組み合わせたAIサービスの開発・提供を行っています。主に2つの軸で事業展開していまして、1つは個別企業をお客様として、デジタル化・AI化を推進し個社ごとに抱える経営課題などを解決することで産業・社会革新を図る取り組み。もう1つは、幅広な顧客向けに、自社開発したAI関連ソフトウェア・サービスを提供する事業です。
後者の自社サービスの代表的なものとして、「CareWiz 話すと記録」という介護事業者向けのサービスがあります。介護事業者は介護サービスを提供していく中で、必ず介護記録というものを作成する必要があり、これに大変な時間をかけています。本サービスでは、介護スタッフが被介護者の名前と介助の内容を声に出して発話するだけで、その発話内容からAIが介護記録に関連するキーワードなどを自動認識して抜き出し、介護記録用の情報として残してくれます。これだけでもメモ・入力作業が省けますし、本サービスが連携可能な介護ソフトを利用されているお客様であれば、単純な操作で情報連携して介護ソフト上で介護記録が作成できる、というものです。

私が所属している法務部では、お客様との業務委託契約を締結する際の支援や、自社での新サービス立ち上げに関する法務論点の整理、利用規約の作成・改訂などを担当しています。さらに株主総会や取締役会の運営、社内規程の管理、社内向けの法務・コンプライアンス研修の実施、新株発行やM&Aといったコーポレートアクションのサポートも行っています。

そうした事業を展開しているなかで、電子契約サービスを導入することになったきっかけは何だったのでしょうか。

2020年のコロナ禍で緊急事態宣言が発出され、当社でもテレワークの動きが広がってきたことで、やはり紙の契約書への押印に支障が出てきたことが理由の1つです。法務部や営業事務の社員が出社して押印関連の事務対応をしていましたが、自由に出社できなくなるとそれがタイムリーに行えなくなります。

特に業務委託契約では、事業部より特急で締結したいという要望もしばしばいただきます。テレワーク体制に移行した後は、週に1度出社して押印対応する方法をとっていましたが、そうなると最長で1週間待つことになるケースもあり、結局急ぎのときは臨時で出社して……ということになって、業務負荷が高くなる問題が出てきました。

また、人事部門では、雇用手続関連で従業員とやりとりする書類が様々あり、それらを全て紙で行うのはやはり作業負担が大きいのが課題でした。

取締役会の開催がオンラインになったことも影響しています。取締役会議事録は商業登記申請で使用することも多いため、押印対応はタイムリーに行う必要があります。それまでは毎月取締役会を会議室で開催していたため、事前に用意しておいた登記用の議事録をその場で全員に確認・押印してもらう流れになっていました。しかし、オンラインになったことで、全員に回覧する形で議事録を郵送し、押印してもらうのは互いに大きな負担になります。そこを電子化できれば一気に省力化できると考えました。

他にも電子契約サービスは存在しますが、その中からSMBCクラウドサインを選択した理由を教えてください。

複数の電子契約サービスと比較したところでは、SMBCクラウドサインは利用している企業が多く、実績があり、信頼性が高いのが優位な点だと思いました。そしてもう1つ、先ほどお話しした商業登記申請で使えるかどうかも重視していましたので、それに早くから確実に対応していたのがSMBCクラウドサインだった、というのは一番の決め手になりました。

あとは実際にトライアルで事前利用させていただき、ユーザーインターフェースのわかりやすさ、料金やサポートも含め、総合的に判断してSMBCクラウドサインに決めたということになります。

サポートの面では、具体的にはどんなところが役に立ったでしょうか。

紙から電子への移行で、業務フローは少なからず変更しなければなりません。誰でも簡単に使えるツールだけに、適切なフローを踏まずに契約書を送信できたり、承認できたりする可能性もあるので、内部統制の観点からそれを防げるよう、きちんとルール通りに回せるようなフロー設計ができるかが重要です。

そういった業務フローの部分や、既存の紙の契約書を管理しやすく電子化する方法も含めて、いろいろな部分でSMBCクラウドサインの担当者の方に丁寧にサポートしていただけましたし、社内向けの説明会まで実施してもらえました。導入や活用を進めていきながら、チャットなどで随時質問して、すぐに対応していただけたのも助かりました。

電子契約サービスを新たに導入したことで、現場が戸惑うようなことはなかったでしょうか。

今まで慣れていた紙の契約書と違いますので、電子契約の場合はどのように進めなければならないか、しっかり理解したうえで使ってもらうまでには少し時間がかかったかもしれません。電子契約でも問題ないという相手方の同意を得たり、相手方の決裁権限者のメールアドレスを確認したりする必要もあります。そのあたりは、マニュアルを作成して全社に周知することで対応していきました。

とはいえ、導入に対する反発が起きるようなことはありませんでした。SMBCクラウドサインのアカウントは契約締結の主体となる事業部の方では持たず、コーポレート部門や営業事務のメンバーがもつようにしましたので、そういうこともあってか、運用していくうえで混乱することはなかったですね。

電子化に合わせて業務フローを適切に調整。多数のツールとの連携も視野に

SMBCクラウドサインを導入したことによる効果はいかがでしたか。

感覚的に、押印作業は明らかに減っています。人事関連の書類や議事録といった社内的な書類はほぼ100%電子化できましたし、株主総会における議決権の委任状も電子化しています。契約書についても、全契約書のだいたい半数は電子契約に切り替わった感じです。また、副次的な効果として、お客様との取引基本契約や請負契約で印紙税が省けるようになったという点でも、効果があると感じています。

契約にかかる時間という点ではどうでしょうか。

紙の契約書だと、以前は週1回出社して押印というフローになっていましたので、契約内容が確定してから契約締結までに最長1週間かかっていたわけです。でも電子契約にしてからは、社内申請が上がってきたらテレワーク下で電子契約を送信するだけですので、タイムリーに処理されるようになりました。待ち時間が減るので、事業部側にとってはストレスがなくなっていると思います。

また、法務部などのコーポレート部門の側も、契約書を印刷・製本し、内容確認して押印するという作業の代わりにボタン1つ2つをクリックするだけの形になって、手間が大きく減るというメリットを実感しています。

反対に、導入や運用にあたって苦労したところはありましたか。

やはり業務フローを整備する部分は大変だったかもしれません。社内では複数の決裁システムを使用してそれぞれ使い分けています。そのなかの押印が必要な部分で一度SMBCクラウドサインを挟むような流れになるので、フローがスムーズにつながるようにマニュアルに組み込むところで調整が必要になりました。

AI技術に強みをお持ちということで、たとえばそうした社内システムを連携していくところでAIを使っていたりはするのでしょうか。

実用化に至った事例はまだありませんが、バックオフィス業務の効率化という観点では自社技術も含めいろいろと試行錯誤をしております。
例えば、当社が開発している「exaBase FAQ」というサービスを社内業務に関する問い合わせ対応に活用するなど。
このサービスは一言でいえばFAQツールみたいなものですが、一般的には質問をキーワードで検索して、キーワードが含まれる質問・回答を表示する形になるところを、このサービスでは質問内容を自然言語処理します。ユーザーが何を知りたいのかを質問内容から解釈した上で、それに関連する質問・回答を表示するわけです。「契約書を結びたい」とタイプすると、必要な申請や承認フローがわかる回答が見られる、というようなイメージですね。

SMBCクラウドサインを活用されていく中で、便利だと感じている機能はありますか。

やはり商業登記申請で使えるのは大きかったです。ストックオプションが絡むところで、取締役会の議事録を添付書類として申請することが多いですから。それと、承認者を複数、段階的に設定でき、共有先も別に指定できるところは、複数部署の権限者にまたがって承認・確認する社内手続きのフローと非常にマッチしていると感じます。

その他にも、株主への委任状送付は一括送信機能で省力化できていますし、送付した契約書のメール通知を見逃されてしまうこともたまにありますので、そういうときはリマインド機能を使うと話が早いですね。最近ではチーム管理ができる機能も使いはじめています。書類の閲覧権限を細かく設定することで、子会社の契約書類を親会社側のアカウントからでも確認できるのは非常に便利です。

今後、SMBCクラウドサインの活用をどのように広げていこうとお考えですか。

活用という意味では既にずいぶん進められていると思っています。社内文書にも、対外的な契約書にも使っていますので。広げるとすれば、当社サービスの利用申込みフローで、まだ紙による事務処理が残っているので、その電子化は取り組んでいきたいところです。

また、現状は契約更新期限の管理が部署任せになっているところがあります。ここは課題の1つだと認識していますので、SMBCクラウドサインがもっているアラート機能をうまく使えるように運用の方法を検討していきたいと思っています。

SMBCクラウドサイン以外にも様々なSaaSを活用している為、API連携などで上手につなぎ込み、より簡便に利用できる環境を構築していきたいですね。

最後に、SMBCクラウドサインの導入を検討している企業に向けてメッセージがありましたら。

電子契約サービスを導入することで、既存の業務フローを変えていくことに抵抗感のある企業が多いかもしれないと想像しています。ただ、最近では取引先から求められて電子契約で対応するケースが増えてきていますから、もはや一般的な情勢として、電子契約の導入を進めるべき段階に来ているのではないでしょうか。導入には少なからず負担はありますが、メリットは間違いなくあるのでお勧めしたいですね。

法務の視点では、きちんと契約を結んだことの証跡として、紙と同じだけの効力が電子にあるのかどうかがキーになってきます。本人性が担保されていることと、タイムスタンプによる改ざん防止、この2点が重要です。

しかし、SMBCクラウドサインならそのあたりは一定担保される仕組みになっています。本人性のうち、電子署名者が契約締結権限者かどうか、という点は確実には担保されないものの、そもそも紙の契約書でも、誰が押印したのか(社内権限者の承認の下で押印したのか)、という本人性はある意味完全には担保されていないんですよね。紙の契約書ではいわゆる「二段の推定」でカバーされる面はありますが、契約相手の押印を実印ではなく契約印で済ませるケースはどの会社でも一定あると思われ、その場合、厳密には一段目の推定の前提事実が揺らいでくるはずです。実務上はそういった理論上のリスクがあることは承知しつつ、個別の契約の規模やそれまで契約相手方との関係性を踏まえ、実際にリスクとして顕在化する可能性は低いと判断して運用している(または重要な契約では実印を求めたり、機関決定議事録の写しを求めたりする)のだろうと思います。そのような発想を電子契約にも及ぼして、電子契約はこういう点でリスクがあるので信頼性が低い、みたいに堅く考えるのではなく、運用上の工夫でリスクをカバーすることを考えて、導入を進めてほしいなと思います。そういった意味では、電子契約であるSMBCクラウドサインは紙と同じかそれ以上に信頼のおけるものとして捉えて良いのではと思います。

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